製造事務のぼやき(2024年12月)
業務マニュアルというものについて、業務を担当する本人にとっては必ずしも良い物とは言えないと思います。
• 仕事を取られたくない
私の今の仕事の1つは、作業マニュアルの作成です。具体的には、作業者(製品を組み立てる人)が作業している様子をビデオカメラで撮影した動画があって、その動画を見て、作業者がやっている事を文章にするという作業です。私は製品を組み立てた経験はないのですが、私がやっている仕事というのは、手順書の作成、つまり、ある作業を「誰でもできるようにする」ためのものです。しかし、もし私が作業者の立場だったら、自分が持っている技能や知識、ノウハウというものを、簡単には教えたくないと思うことでしょう。それは、自分の仕事を取られたくないからです。
ノウハウは隠したい
労働者にとって、仕事を失うことは脅威です。会社で仕事を失ったからといって、即失業とはなりませんが、仕事の対価としての給与がある以上、労働者にとって、やはり、仕事は重要なものです。ここで、「自分にしかできない仕事」というのは、労働者にとっての強みとなり得ます。なぜなら、その仕事がある以上、その人は必要とされるからです。だから、労働者の一般的な性向として、「自分しか知らないノウハウは隠したい」という考えを持つことは自然だと私は思います。「自分にしかできない仕事」を守りたい人にとって、業務のブラックボックス化は好都合です。
ビハインド
だから、「業務のマニュアル化」という作業も、作業者からしたら面白くないものだろうと、私は想像します。効率化だとか、標準化だとか言っても、自分の仕事が無くなってしまったら元も子もありません。仕事がなくなった分、その人には別の仕事が与えられますが、新しい仕事を覚えなければいけませんし、自分に合った内容かどうかも、分かりません。業務のマニュアル化の恩恵を受けるのは、管理する側、指示する側であって、作業者にとってのメリットは少ないのではないかと私は思います。
• まとめ
業務のマニュアル化に関する仕事(作業マニュアルの作成)を、私は現在おこなっていますが、作業者にとってメリットがあるものではないと、私は考えています。私も一人の労働者であり、私の仕事もいつまであるか分からないのです。
なお、ぼやきになってしまいましたが、ぼやきの取り扱いには注意したいと思います。