おじさんのバーチャル婚活 ― ひとりの庭で
僕は現在、婚活中です。婚活といっても、結婚相談所に登録したりしているわけではなく、手軽なマッチングアプリを利用しています。現在は、マッチングアプリ 兼 箱庭ゲーム である、「恋庭」で遊んでいます。先日まで、毎日のようにメッセージのやり取りをしていた相手(ここではXさんといいます)と、連絡が急に途絶えました。もっとも、テキストだけのやりとりの相手と連絡が途切れることは珍しいことではありません。それでも、これが恋愛に関することだとしたら、この気持ちはすぐに忘れてしまうでしょうから、忘れないうちに、記しておきます。
• 3月8日:最後のメッセージ
3月8日の夜に僕が送ったメッセージが、最後でした。3月9日の昼に、Xさんが「庭」の手入れをしたのを、恋庭のタイムラインで僕は確認しています。しかし、それ以降、タイムラインにXさんの行動の履歴が表示されなくなりました。
そして、音沙汰がないということで、システムから下図のような提案を受けてしまいました。
もちろん僕は「解消しない」を選択しました。
連絡が途絶えた理由は……
理由はわかりません。たとえば、Xさんがスマホをなくしてしまったとか、仕事が急に忙しくなってアプリを起動する暇がないとか、そういうことも考えられます。
しかし、普通に考えて、僕は見放されたのでしょう。
Xさんはなぜフレンドを解消しないのか
僕を見放したのなら、フレンドを解消するという方法もありますが、今のところXさんとのフレンド関係は続いています。想像ですが、Xさんは、アプリをアンインストールしたのかもしれません。アンインストールしてしまえば、それで終了です。僕にNoを突き付けることなく、フレンド関係を終わらせることができるのです。それは、やさしいやり方です。しかし、厳しくもあります。明確にNoと言わない限り、相手はわずかな可能性にかけて、待ち続けるかもしれないからです。
• それでも僕は、マシュマロを設置する
バーチャルな庭に、今はひとりです。
先日までは2人で協力して育てていた畑も、今は無意味です。一人で遊ぶには、この庭は広すぎます。作物を育てる動機は、今の僕にはありません。
マシュマロがなくなってしまいました。
最後のマシュマロを設置することにしましょう。
マシュマロを設置しました。Xさんが現れない限り、これが最後のマシュマロとなるでしょう。
• ゲームだが、破綻はつらい
和やかな雰囲気でやりとりできていたと思っていたのに、急にメッセージが途切れ、事実上の破綻となりました。僕は無課金で遊んでいましたし、僕が使ったのは時間だけです。これは失恋などとは言えないとは思いますが、しかし、築き上げた(と思っていた)関係が、勘違いだったと気づかされるのは、けっこうつらいものです。
• 追記、翌日
「最後のマシュマロ」と言いましたが、結局、今日もまたマシュマロを設置しました。まだ未練があるようです。
(この記事は、2023年3月に執筆し、2024年3月に修正・公開したものです。)