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「人財」という表記について思うこと
2024-05-18
「人材」と同じ意味の「人財」という表記も、ずいぶん定着したものだと感じます。
• 「人財」という表記
私は、”人財”という表記が一般的に使われるようになったのは、数年前からのような気がします。しかし、”人財”という表記は、昔の出版物にも度々登場していたようです。
かつては、「人財」はいわゆる”当て字”であり、正式な表記ではありませんでした。それでも現在ではかなり一般的な表記になったと思われます。
• なぜ「材」を使わない?
なぜ”材”を”財”に置き換えるのでしょうか。想像ですが、材は「材料」を連想させ、「人を物のように扱っている」という冷酷な印象を与えるような感じがするからではないか、と思います。
「材」を使った言葉には以下のようなものがあります。
- 材料
- 木材
- 資材
- 材質
- 素材
• なぜ”財”使う?
「材」が無機質な、材料のような印象を与える一方、「財」には、金庫や宝箱のような華やかなイメージがあります。
「財」は「材」よりも華やかなイメージがあるので、企業は「人財」という言葉を好んで使用するのでしょう。
• 感想
「人材」を「人財」と書くのが現在の企業のトレンドですが、私は「人財」という表記からは、うさんくささのようなものを感じます。
たしかに「人財」には、「従業員を、企業の財産として大切に扱っている」というイメージがあります。しかし、一方で、「企業が人間のことを”所有物”(私有財産)として扱っている」という印象を、私は受けます。
以下のようなイメージです。
- 人材
- 企業が従業員を材料のように扱う。
- 人財
- 企業が従業員を私有財産のように扱う。
そして人材という言葉が持つ暗いイメージを、財の文字を使うことで誤魔化そうとしているように見えるので、人財という表記に、私はうさんくささのようなものを感じます。