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カテゴリー : 雑記 - 日記
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公開日:

深夜ラジオで「白い蛾」の朗読を聞いた


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2024-07-22

今日は月曜日です。朝から暑くて、出勤しただけで汗をかいてしまいました。昨日の夜中、眠る前に、枕元にポケットラジオを置いて、NHKラジオを聞きました。


アナウンサーが文学作品を朗読するというコーナーが、始まりました。アナウンサーは作品名を読み上げました。その後に「安部公房」(あべこうぼう)とアナウンサーが言ったような気がしたので、私は半分眠っていましたが、目を覚ましてしまいました。


安部公房の小説を私は一通り読んでいるので、マイナーな作品であっても朗読を聞けば思い出すかもしれませんが、アナウンサーが読み上げるその作品は、私がまったく知らない内容でした。作品には「しろがまる」(しらがまる?)という名前の船が登場しました。作品の内容は、ある船の上で、男が船長から白い蛾にまつわるエピソードを聞いているというものでした。

興味深いストーリーでしたが、文体がなんとなく、安部公房っぽくないような気がしました。安部公房の文体はもっとシンプルでそっけない感じだと思いましたが、アナウンサーが読むその作品の文体は、純文学的というか格式高い感じでした。聞き覚えがない作品ですし、文体も違うと思ったので、アナウンサーは安部公房と言いましたが、それは聞き間違いだったかもしれないと私は思いました。

眠気はさめて、私は朗読に聞き入っていましたが、いつの間にか私は眠っていて、朗読の最後の方は聞き逃してしまいました。


今朝、コーヒーを飲みながらインターネットをしていると、昨夜のラジオのことを思い出しました。作品名は忘れてしまったので「白い蛾 船 小説」などというキーワードで検索しました。すると私が深夜にラジオで聞いたあの作品は、安部公房の「白い蛾」という作品だということが分かりました。

「白い蛾」は安部公房が作家として売れる前に書かれた作品であり、「題未定」という文庫本のなかに収録されているようです。

文体が違うと感じられたのは、まだ無名だった安部公房が、20代の時に書いた作品だからでしょう。


深夜のラジオ番組で安部公房の「白い蛾」の朗読を聞きました。しかし最後の方は眠ってしまって聞き逃してしまいました。

文体が安部公房っぽくないと思いましたが、それは有名になる前の最初期の作品だからでしょう。それでも「白蛾丸」のネーミングセンスには「方舟さくら丸」に通じるものが、白い蛾の羽についての描写は「砂の女」に通じるものがあるように思いました。

補足:

私は今年のゴールデンウィークに実家に帰省する時に読もうと思って「題未定」の文庫本をすでに買っていました。

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[ 画像1. 題未定の文庫本 ]

 

しかし、読まないまま積読になっていました。そのうちに読みたいと思います。